土地選びの基本

土地の購入先

土地は大きく分けると「不動産業者」か「建築会社」で買う(探してもらう)ことができます。
それぞれに特徴がありますが、理想の土地を手に入れるためには、より多くの情報源を持っておくことが大事です。

[ 不動産業者 ]

不動産業者から土地を買う場合、自社所有の物件を直接販売する、いわゆる「売り主」と、代理で販売する「販売代理」、そして売り主と買い主の間を仲立ちする「仲介」があり、「仲介」の場合は仲介手数料が掛かります。
また、ひとくちに「不動産業者」と言っても、大手の不動産会社から町の不動産屋さんまで、その規模はさまざま。大手の不動産会社のほうが物件数は多いと言えますが、町の小さな不動産屋さんで条件ピッタリの土地が見つかることもありますので、どちらにもアンテナを張っておく必要があります。

[ 建築会社 ]

ハウスメーカーや工務店など、建築会社が土地を所有している場合もあります。この場合は「建築条件付き」と言って、その土地を所有する建築会社で建てなければならない場合がほとんどです。また、土地売買の「仲介」をしているところもありますので、建築主の希望に合った土地を探してもらうこともできます。建てたいメーカーや工務店が決まっている場合は、その会社が所有している土地はないか、または自分たちに代わって希望に合った土地を探してもらえないか、相談してみるのも良いでしょう。

土地購入の基本的な流れ

  1. 物件を探す
    あらゆる手段で希望に合った土地をじっくり探し、候補地を挙げておきます。最近ではインターネットの活用が重要です。
  2. 金融機関へ事前相談
    候補地が見つかったら、金融機関で実際にいくら借りられるのかを相談し、予算を把握します。
  3. 土地の売買契約
    売買契約を交わす際は、万が一、融資が受けられなかった場合に契約を白紙に戻せる「ローン特約」が付いているかを確認しましょう。
  4. ローン申し込み・契約
    返済能力や担保価値などの審査が通れば、晴れてローンの契約です。
  5. 土地購入 (つなぎ融資)
    融資の実行が、土地の購入より後になってしまう場合、とりあえずの資金を用意する「つなぎ融資」が必要になることがあります。
  6. 融資実行
    いよいよ融資の実行。つなぎ融資を利用した場合は、この時点でその全額を返済します。

押さえておきたいポイント

・周辺環境のチェック
通勤・通学のしやすさ、日常生活の利便性など、その土地の住み心地をイメージする上で、周辺環境のチェックは欠かせません。土地の見学をする際は、通勤・通学時間のほかにも、買い物をするスーパーマーケットや、病院や市役所、警察署・交番までの距離も把握しておきたいところです。
また、ある程度、希望の条件を満たす土地を見つけたら、時間帯や天候など、異なる条件の時に何度も見に行ったり、ご近所の方々に聞き取りなどをして、住み心地をイメージしてみましょう。
全て自分たちで行うのは難しいこともあるでしょうから、建築会社にも確認の協力してもらってアドバイスをもらうのも良いでしょう。

・地盤の強さも重要
家族の安全を考えると、地盤の良し悪しも大いに気になるところ。地盤の悪い土地に家を建てる場合は、地盤改良費だけで100万円を超えることも珍しくありません。通常、地盤調査をするのは土地の購入後(着工の直前)ですが、売り主の了解さえ得ることができれば、購入前に大まかな調査をすることも可能です。スウェーデン式サウンディング試験という簡易な方法なら数万円で調査できます。

・分譲地の区画選び
複数の区画が売りに出されるいわゆる分譲地では、土地の向き(接道面の方角)や角地かどうか(接道面の数)によって価格が違います。なぜなら、土地の持つ「性格」によって建築する家のプランに制約が生じるので、制約の少ない土地ほど人気があり、高く売れるからです。
では、安い区画は選ばないほうが良いかと言えば、そんなことはありません。その土地の個性を理解した上で、求めるプランとの相性さえ悪くなければ、むしろお買い得とも言えます。変形地を有効活用するのも注文住宅ならではの醍醐味かもしれません。

家づくりの際、土地を持っていない場合は購入する必要がある訳ですが、「家づくり相談室」では、土地探しから始めるよりも、建築会社選びを先行して進めることをオススメしています。候補地が見付かったら建築会社に現地を確認してもらって、専門家としての意見をもらいたいためです。また、土地探しを手伝ってもらえる場合も多いです。変形地などは周囲の相場と比べると比較的安価なケースが多いですが、規格住宅しか提供していない建築会社の場合、対応できない可能性もあります。そうした事態を避けるためにも専門家に意見を仰ぎながら、慎重に土地を選びたいものです。