太田市内に完成したS邸。
玄関からダイニング・キッチンまで土間になった大胆な間取りが特徴の住まいは、設計力を活かした家づくりを行っているますいいリビングカンパニーが、「自分たちだけの注文住宅」を希望したご夫婦のためにつくった家です。
土間と中庭のある家が理想
S様と編集部の出会いは、2021年の師走のことでした。
「せっかく家を建てるのなら」と、自分たちのライフスタイルに合わせたオーダーメードの家を希望して、理想を実現できる建築会社を探すために編集部までお越しいただきました。
マイホームへの具体的なイメージや予算感は全く分からない、というお話でしたが、当初からダイニング・キッチンは土間にしたい、プライバシーを守れる中庭でのんびり過ごしたいといった希望はお持ちでした。
後から分かったことですが、趣味や仕事も土間を希望する要因だったようです。そのときはそこまで分かりませんでしたが、「群馬の家」の誌面を一緒に見ながらご夫婦のお話を聞いて、まずは価格帯やデザインの傾向が異なる3社を提案し、それぞれ訪問していただくことにしました。
結果としては、編集部としても一番要望に合うだろうと考えて提案していた、ますいいリビングカンパニー高崎分室と相談を進めていくことになりました。ここまではおよそ1カ月くらいと建築会社選びはスムーズに進行しました。
ただ、その後の土地探しが難航し、実際に住まいが完成したのは約2年半後の2024年夏のことでした。
要望を叶えつつ、土地に合わせて計画を修正
土地については、最初に候補地に選んでプランを作成した敷地が先に売れてしまったという経緯もあったようですが、その際に打ち合わせを重ねて作成したプランが最終プランにも活かされています。
希望通りに、土間のダイニング・キッチンや中庭がある家が実現しました。
ダイニング・キッチンについては、テーブル一体型のオリジナルモルタルキッチンを作成。存在感のある、個性的な空間に仕上がりました。
また、北側道路の敷地は南側に家が建つことを想定して、思い切って南側を閉じ、中庭やトップライトからの光を取り込むデザインになっています。
プライバシーを守れる中庭からの採光とすることで、周囲の目を気にせず開放的な暮らしが実現しました。
多くの時間を過ごすLDKは、土間のモルタルと木の質感を活かした、明るい空間になりました。
コンパクトにまとめた住まいですが、ほかにも見どころはたくさんあります。
玄関からランドリールーム続く土間や、2階に設けた寝室やクロゼット、各空間に光を届ける中庭など、最初にご夫婦がおっしゃっていたように、自分たちだけの家というにふさわしい注文住宅が完成したように思います。
ご夫婦もとても気に入った様子でした。これから、この住まいでどのような暮らしが紡がれていくか楽しみです。