「群馬の家」最新号も施工例満載
「群馬の家」vol.22が2022年9月1日に発売しました。
「群馬の家」は創刊当初から、さまざまな施工例の紹介を重視してきました。
なぜなら、建築会社からの一方的なPRを受け取るよりも、建築会社が実際に建ててきた施工例を見る方が、建築会社を選ぶうえでも、これからの暮らしのイメージを膨らませるためにも役立つと編集部は考えるためです。
そういった理念に基づき、本誌の看板企画である「群馬の建築実例」や、毎号テーマを決めて個性的な家を紹介する特集記事を制作しています。
今回は巻頭特集として「リノベーションの可能性」と題した実例記事を掲載しました。群馬県および近県においては、圧倒的に新築の方が需要としては多いのですが、リノベーションを取り上げた主な理由は2点あります。
まず、空き家の有効活用や、物を大切にしていこうという観点。
もう一つが、コロナ禍以降の建築費の上昇により、リノベーションが現実的な選択肢となり得る可能性が高まるかもしれないためです。
コロナ以前と比較して、建築費は確実に値上がりしました。
しかしながら、収入はあまり変わらないというのが現状だと思います。
そのため、コロナ以前であれば建てられていた住宅が、そのままでは建たなくなっています。これはコロナ以前から取り組まれていることですが、住宅をコンパクトにすることで建築費を抑えてきました。「群馬の家」が取材する地元工務店や設計事務所による住まいでは、家族3~4人で25~30坪未満のものも珍しくなくなっています。コンパクトにしながら、狭く感じない工夫を凝らし、住みやすい家を提供していますが、小さくするにも限界はあります。
優先順位を明確にして予算をやりくりするなどの工夫もあるでしょうが、コロナ以前は注文住宅を建てられていた層が、建てられなくなる懸念があります。
ローコスト住宅、建売住宅といった選択肢や、賃貸に住み続けるという選択肢もあるでしょう。それに加えて、技術力のある工務店や設計事務所に依頼して、手頃な中古住宅を購入してリノベーションするという選択肢が、これまでよりも現実味のある選択肢として挙がってくるのでは、との考えた訳です。
家を建てることが目的なのではなく、理想的な暮らしを実現することが目的なのだとするなら、必ずしも新築住宅を建てることだけが答えではないのだろうと思います。今後、リノベーションが家づくりの選択肢の一つとして、新築と並ぶ可能性は高いのではないだろうか。それが今回特集として取り上げた大きな理由です。
「群馬の家」の巻頭特集は、「家づくりの可能性を広げること」を目的としています。「こんな家もあるんだな」「こんなやり方をしてもいいんだな」、そんな風に自由に考えていただくきっかけにしていただければうれしいです。
書店、コンビニ、通販のほか、電子書籍版もありますので、チェックしてみてください。